重度の後遺症や死に至る場合もある乳児の「ビタミンK欠乏性出血症」を防ごうと、愛媛県医師会(久野梧郎会長)は4月から県内の小児科や産婦人科で、生後3カ月までの乳児に週1回、ビタミンK入りシロップを投与する取り組みを進める。継続的な服用で発症を抑える効果が期待でき、検討会の上田晴雄・小児科医は「重症の出血をする赤ちゃんが少しでも減るよう広く普及を図りたい」としている。
 上田医師によると、納豆などに多く含まれるビタミンKは、血液を固まらせ出血を防ぐ働きがあり、不足すると重症の出血を起こす場合がある。ビタミンKは胎盤を通過しにくく、母乳に含まれる量も少ないため特に乳児で不足しがちで、全国で年間20人程度が欠乏性出血症を発症。頭部や消化管で急な出血を起こし、死に至る例もあるという。